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Vol. 177. 医療系翻訳タイムズ(連想式医薬英単語2)
-80歳で運動を始めても遅くない !?-

カナダMcGill大学の研究チームが、
毎週数時間以上の激しい運動を行っている80歳代の
一流スポーツ選手グループと、
同年代の運動量の少ない健康な高齢者グループに筋肉テストを課して、
高齢になっても運動を続けている人と、運動をしない人との、
筋肉細胞の状態を調べました。
結果、両群の間に、数十年以上の差が生じたとのこと。

運動によって、筋肉のアンチエイジングが成功している、
と考えられると結論付け、
Journal of Applied Physiologyに2016年3月に発表しています。

但し、注目すべきは、運動を中断して、長年、ほとんど運動していなかった、
一部の50代の陸上選手でも、この筋肉テスト中に、良い筋肉状態を
維持できたという点です。

この点を評価して、本研究チームは、「もう運動するには遅すぎる」
ということはない、とも結論付けています。

[Cited from: Exercise Makes Our Muscles Work Better With Age,
             By Gretchen Reynolds, March 30, 2016]


これと同様の見解が、つい最近になって、改めて浮上してきています。

つまり、高齢になってから運動しても、筋肉の衰弱を遅れさせ、
加齢に伴う虚弱を防ぐことができる、とする説ですね。

英国Birmingham University, School of Sport, Exercise and
Rehabilitation Scienceなど所属の研究者らによって、
この研究は実施されました。

研究の詳細を見てまいりましょう。

「タイトル」:

運動不足の高齢者でも、レジスタンス運動後、
筋肉はアスリート同様に増加する。
          
“Comparable Rates of Integrated Myofibrillar Protein
Synthesis Between Endurance-Trained Master Athletes and
Untrained Older Individuals.”

[直訳:持久力訓練を受けた一流スポーツ選手MAと、
対照の、運動経験の少ない健康高齢者(Older Controls:OC)における
統合筋線維タンパク質合成(iMyoPS)率の比較]

[cited from: Frontiers in Physiology, Volume 10, August 2019.
以降、「対象」「方法」「結果」「結論」まで、英文は同JOURNALより引用]

「対象」:

持久力訓練を受けた一流スポーツ選手(Master Athletes:MA)7名、
平均年齢68.9歳と、
対照群として、同年代の運動経験の少ない健康な高齢者
(Older Controls:OC)8名、平均年齢73.5歳。

“Endurance trained MA(n=7 males; 68.9 ±5.7 years)
 and healthy age-matched untrained individuals
 (Older Controls:OC, n=8 males; 73.5 ±3.3 years).”

「方法」:

並行研究デザインで、安静時及びレジスタンス運動前後の
計48時間の統合筋繊維タンパク質合成を比較した。

“In a parallel study design, iMyoPS rates were determined
over 48 h in the rested-state and following a bout of 
unaccustomed resistance exercise (RE) in OC and endurance-
trained MA.”

KON註⇒resistance exercise (RE) とは、標的とする筋肉に抵抗
(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動で、
具体的には、スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操などを言う。

「結果」:

OCとMAの安静時のiMyoPS率に差は無く、両群とも
レジスタンス運動後には、同様に、有意にiMyoPSが増加した。
レジスタンス運動1時間後、AktThr308のリン酸化がOCでのみ
増加したが、その他の筋肉内シグナリングに群間差は
どの時点でも認められなかった。

KON註:AktThr308は一種のタンパク質で、リン酸化されると
タンパク質の構造が変わって、働き始めます、つまり「活性化」
します。

“There was no difference in rested-state rates of iMyoPS between
OC and MA. RE significantly increased iMyoPS above rest in both
OC and MA, with no difference between groups.
AktThr308 phosphorylation increased at 1 h post-RE in OC,
but not MA.  No other between-group differences in intramuscular
signaling were apparent at any time-point.”

「結論」:
サンプルサイズは限られているものの、これらのデータは、iMyoPSにつき、
静止時にも、レジスタンス運動後も、MAとOCとの間に差が無いことを
示唆している。注目すべきは、OCが、骨格筋を再構築する
レジスタンス運動誘発刺激を受容する能力を保持していることである。

“While our sample size is limited, these data suggest that 
rested-state and RE-induced iMyoPS are indistinguishable 
between MA and OC. Importantly, the OC retain a capacity 
for RE-induced stimulation of skeletal muscle remodeling.”

KON註:骨格筋は、筋繊維の束でできており、体重の40%を占める
体内の最大の組織です。骨格筋がレジスタンス運動などを積極的に
受容して、生体組織のリモデリング(再構築)が行われます。

英国Birmingham大学の研究チーム主任であり、
運動生理学と代謝の上級講師でもあるLeigh Breenが、
本研究について、University News Releaseで語った
コメントをいくつか紹介しましょう。

1.運動への長期的なコミットメントは、
全身的な健康を獲得するための最良のアプローチですが、
人生の後半から運動を始めても、
加齢に伴う虚弱と筋肉の衰弱を遅らせるのに役立ちます

“Obviously a long-term commitment to good health and exercise
is the best approach to achieve whole-body health, but even
starting later on in life will help delay age-related frailty and
muscle weakness.” 
[Cited from: Even Age 80 is not too late to begin Exercising.
By Robert Preidt, HealthDay Reporter, Aug.30, 2019]

2.私たちの研究は、あなたが生涯にわたって定期的に運動をしていなくても
特に問題ではないことを明示しています。運動を開始するのがいつであっても、
運動から利益を得ることができます。

“Our study clearly shows that it doesn’t matter if you haven’t
been a regular exerciser throughout your life, you can still derive
benefit from exercise whenever you start.” 
[Cited from: Even Age 80 is not too late to begin Exercising.
By Robert Preidt, HealthDay Reporter, Aug.30, 2019]

英国Birmingham大学研究チームによる本研究は、
高齢者の運動開始を後押しする端緒となる、
興味深い意義ある研究と言えるでしょう。

中高年世代であっても、また老年世代であっても、
運動を始めるのに遅いということは無いと科学的に証明されたわけで、
皆さま、是非、いま、ここから、なんらかの運動をスタートさせて
みませんか?

ところで、当メルマガは、連想式英単語と銘打っていることから、
今回の号の連想式英単語は、
Myofibrillar Protein Synthesis (筋線維タンパク質合成)が
キーワードとなりそうです。

健康を向上させるレジスタンス運動(Resistance Exercise:RE)から、
多くの刺激(stimulation)が筋肉へもたらされ、タンパク質の合成
(Protein Synthesis)が増え、筋肉が肥大し、収縮機能が強くなる。
つまり、REへの反応として、筋繊維(myofibrillar)の束でできている
骨格筋(skeletal muscle)での遺伝子発現が変化を受けてタンパク質合成
が為される、という骨格筋肥大の分子生物学的基礎が明らかにされて
いる事実は、知識として知っておくことをお勧めします。

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