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Vol.178. 医療系翻訳タイムズ(連想式医薬英単語3)
-受動態の語順についての常識とは?-

医薬英語で、非常に頻繁に出てくる常用語に
「投与する」があります。

連想式英単語としては、
administerを筆頭に、treat, inject, giveなどが芋づる式に
思いだされます。
ただ、administer/treat/injectは、
ヒトつまり被験者や患者に薬剤を投与する際に使われ、
giveは、動物に投与するときに使われる傾向があるようです。

しかし、この傾向も、徐々に崩れてきて、近年では、ヒトでも動物でも、
administerが使われることが最も多いようではありますけれども。

この「投与する」という用語は、能動態で使われたり、受動態で
使われたりするのですが、受動態で使われる際の語順について、
受講生のかた達から、弊社養成講座事務局にときどき質問を
頂戴するので、その点につき、ここで、まとめて回答をさせて頂こう
と思った次第です。

妥当な英語例文としては、以下のふたつがあります。

(正) Drug A was administered intravenously to the patients
once daily for 3 weeks.

(正) The patients were administered/treated/injected
intravenously with Drug A once daily for 3 weeks.

一方、
The patients were administered Drug A intravenously
once daily for 3 weeks.
は、誤りということになります。

つまり、主語 + be administered + 目的語
という語順になっているからです。

ところが、ここで悩ましいのは、
上記の誤りであるはずの英文が必ずしも、誤りとは言えないのでは、
と思われる英文例が、海外の一流専門ジャーナルに頻繁に出てきて
いることです。

例示してみましょう。

1. The subjects were administered [2-13C]acetate for 2 hours and scanned
throughout that time with magnetic resonance spectroscopy of the brain to
observe natural 13C abundance of N-acetylaspartate (NAA) and the appearance
of 13C-labeled glutamate, glutamine, and acetate.
J.Cli.Invest.2013 Apr;123(4):1605-14. doi: 10.1172/JCI65153. Epub 2013 Mar 8.
Auther:Department of Diagnostic Radiology, Yale University, School of Medicine,
New Haven, Connecticut 06520, USA.

2.For the next 3 days animals were administered 2.5 g/kg ethanol or water
control, and conditional stimulus (CS)-elicited freezing was measured on PD 34.
Behav.Neurosci.2012 Aug;126(4):593-8. doi: 10.1037/a0028878. Epub 2012 Jun 11.
Auther:Department of Psychology, College of William & Mary, Williamsburg,
VA 23187-8795, USA.

3. C57BL/6 male mice were administered a dose of nicotine (3, 6.3, 12, or 24 mg/kg/d)
chronically for varying days and tested for the onset of tolerance to
the effects of nicotine on learning.
Brain Res.2014 Apr 22;1559:1-10. doi: 10.1016/j.brainres.2014.02.038. Epub 2014 Mar 2.
Auther:1 Department of Psychology, Weiss Hall, Neuroscience Program,
Temple University, Philadelphia, PA 19122, USA. Electronic address: tgould@temple.edu.
2 Department of Psychology, Weiss Hall, Neuroscience Program, Temple University,
Philadelphia, PA 19122, USA.
3 Department of Pharmacology, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania,
Philadelphia, PA, USA.

4. To evaluate this hypothesis, guinea pigs and ferrets were administered a potent,
neutralizing mouse IgG monoclonal antibody, 30D1 (Ms 30D1 IgG), against
the A/California/04/2009 (H1N1) virus hemagglutinin and exposed to respiratory
droplets from animals infected with this virus.
J.Virol. 2013 Jul;87(14):7793-804. doi: 10.1128/JVI.00979-13. Epub 2013 May 22.
Auther:Department of Microbiology, Icahn School of Medicine at Mount Sinai,
New York, New York, USA.

5. A total of 169 patients were administered BEP, and 168 patients were
administered T-BEP.
J.Clin.Oncol. 2012 Mar 10;30(8):792-9. doi: 10.1200/JCO.2011.37.0171.
Epub 2012 Jan 23.
Auther:Erasmus University Medical Center/Daniel den Hoed Cancer Center,
Rotterdam, the Netherlands. r.dewit@erasmusmc.nl

上記の英文例は、査読のある論文で通用している模様なので、
海外では、この文型は、すでに市民権を得ていると解釈するのが
妥当かと思われます。

従って、結論としては、
「投与する」を英訳する際には、既述の「正」とした2つの文型を
スタンダードな英訳とするとしても、
「主語 + be administered + 目的語」も、海外の専門誌では
けっこう使用されている、という認識も併せ持つことをお勧めします。

補足として、injectを使う際の受動態の前置詞につき、
以下に確認しておくことを進言します。

1.  Drug A was injected intravenously into the patients
once daily for 3 weeks.

2.  The patients were injected intravenously with Drug A
once daily for 3 weeks.


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